2014年 02月 15日
BREAK直前の疾走感!
メロディ、演奏、そしてルックス!3rdアルバムにしていよいよBREAKの予感「LIMIT BREAK」はこちらから。
メジャー・デビュー作となった前作「LADY MADE」を評して、かつて私はブログでこんなことを書きました。
《無粋を承知で敢えて記せば、他にもっと上手なバンドはいっぱいいます。技巧派と記しましたが、もっとテクニカルなギタリストを擁するメタルバンドははいて捨てるほどいるのですよ。しかし、バンドはあくまで全体から出るオーラが大事。これだけ楽しそうで、こんなにもメロディアスで。ハードでちょっとだけエッチなメタルバンドの出現は、いささか先物買いだと言われても、私は買います。》
(「Lady Madeなメタルバンド」〜それいけ!スバル代行2013年3月31日の投稿)
先物取引が失敗に終わらず、まずはホッとしています。期待に十分に応え、予想を良い意味で裏切る形で、Cyntiaが一回りも二回りも大きくなって帰ってきました。先月ラジオ番組でも紹介した、アニメ「聖闘士星矢Ω」の主題歌「閃光ストリングス」を含む全11曲の構成。多くの曲でプロデュースに関わった、ANTHEMの清水昭男さんの力も大きいと思われますが、もともとの楽曲の持つ“幅”が驚くほど広がりました。
今私は“幅が広がった”と記しましたが、ヘヴィ・メタルバンドとして音楽性がブレないところがさすがです。今までにはなかった、しっとりとしたバラードがあったり、ラストのタイトル・トラックではプログレ風の大作にまで果敢に挑戦しているのだけど、どこを聴いても「これがCyntia!」といった独自性を、きちんと作り上げてしまいました。
前作まで露骨だった「キャバ嬢」風のルックスから、少し落ち着いたところもありますが、昨年夏にリリースした浜田麻里さんのカバー「Return To Myself」のプロモーション・ビデオでは大胆な水着姿を披露し、また、シングル限定盤特典としてビキニTOPを付けるという“遊び心”も忘れていません。頑固なメタルファンの中にはこうした遊び心に眉をひそめる向きもあったと思うのだけど《でも、そういう反応は私たちがあの企画を提案した時から予想していましたし、ある意味、想定内でした。》(雑誌「BURRN!」3月号のインタビューより)、とケロリとかわす心の余裕すら感じさせます。
それにしても、11曲本当に充実したアルバムを、よくぞ作ってくれました。どの曲もギターリフがシンプルでカッコよく、メロディはどこかで聴いたことがあるような親しみを感じさせ、すぐに口ずさみたくなる。男性のメタルバンドにありがちな「ダサさ」とは無縁で、こんなにも明るく、これほど楽しそうで、しっかりと可愛い。いつも指摘していることですが、ハード・ロックとかヘヴィ・メタルって、基本分かりやすくて、カッコよくて、ちょっとエッチなくらいじゃないとダメなんですね。
その意味で、こんな基本に忠実(?)なバンドが、レコード会社からの正当な支援を受けつつすばらしい作品をこの日本国内で発表してくれたことに、私はいささか大げさかもしれませんがある種の感動すら覚えました。4月には名古屋、大阪と久しぶりに東京以外でもライブを行ってくれるようですし、ぜひともそのパフォーマンスを生(ライブ)で観てみたいものですね。
by ANB27281
| 2014-02-15 20:25
| レビュー