月から帰還した王者

e0254184_15391680.jpg







17年目にして円熟の境地。VANDENBERG'S MOONKINGSのデビュー・アルバムはこちらから!






エイドリアン・ヴァンデンバーグが、ハード・ロック・シーンに帰ってきました。デイヴィッド・カヴァデールと2人で来日した際のアコースティック・ライブ「STARKERS IN TOKYO」をWHITE SNAKE名義で発表して以来ですから、実に17年ぶりです。





素晴らしい作品です。ホントに。いろいろ修飾語句を考えましたが、他に言葉が見つかりませんでした。ごめんなさい。





80年代初頭に「VENDENBERG」として鮮烈なデビューを果たしたエイドリアンは、当時からここ日本で熱狂的な人気のギタリストでした。アメリカの脳天気さとは無縁の、オランダという異国情緒たっぷりな哀愁のメロディと圧倒的なテクニックは、今聴いてもまったく色あせるところがありません。




この当時のエイドリアンこそ最高とおっしゃる方も少なくないと思いますが、しかし個人的にはブルースの影響を色濃く出しながら、ハード・ロックの1つのクライマックスを迎えたWHITE SNAKEでの活動と作品が、やっぱり素晴らしいと思うのです。今回の復活作も、この当時の、LED ZEPPELINら70年代ハード・ロックのエッセンスを、今に伝える音作りとなりました。




音作りといえば、アムステルダムの近くにある、有名なレコーディング・スタジオで、60年代・70年代のビンテージ機材を積極的に使った、アナログ風の音作りも、往年のファンをニヤリとさせることでしょう。こうした試みは、一歩間違うと自己満足な懐古趣味に終わることが少なくありませんが、エイドリアンの感動的な演奏を前に、むしろ若いファンには新しく映ると思います。





娘の出産を迎え、子供が成長するまではそばにいたいと、音楽家から画家としてのキャリアを大切にしてきたと聞いています。エイドリアン・ヴァンデンバーグのアルバムのアート・ワークが、多くを自身で描いたもので、地元オランダはもとより欧州では人気なのだとか。私は画のことはよく分かりませんが、エイドリアンは17年間ひょっとしたら月で王様(MOONKING)として活躍していたのでは無いかと思いました。




そうした神秘的な仮説を立てなければ、17年もの長い間音楽活動から遠のいていたにも関わらず、こんなに素晴らしいロック・アルバムを作ってしまう説明ができません。繰り返しになりますが、これは昔有名だった人が、当時の栄光にすがって出したアルバムだとか、70年代風の音作りを狙って、今の音楽について行けないおじさんの溜飲を下げさせる慰めの作品などではありません。




類い希な才能をもった人が、静かな情熱を絶えさせることなく燃やし続けてきました。来る時期を迎え、素晴らしい楽曲群を、往年の仲間と新しい世代の音楽家たちといっしょに作り上げてくれました。エイドリアンのギターも良いが、シンガーの歌声がまた良い。シーンを越えて、すべての音楽ファンに聴いてもらいたい作品です。






by ANB27281 | 2014-02-24 06:51 | レビュー

BREAK直前の疾走感!

e0254184_19265478.jpg








メロディ、演奏、そしてルックス!3rdアルバムにしていよいよBREAKの予感「LIMIT BREAK」はこちらから。







メジャー・デビュー作となった前作「LADY MADE」を評して、かつて私はブログでこんなことを書きました。



《無粋を承知で敢えて記せば、他にもっと上手なバンドはいっぱいいます。技巧派と記しましたが、もっとテクニカルなギタリストを擁するメタルバンドははいて捨てるほどいるのですよ。しかし、バンドはあくまで全体から出るオーラが大事。これだけ楽しそうで、こんなにもメロディアスで。ハードでちょっとだけエッチなメタルバンドの出現は、いささか先物買いだと言われても、私は買います。》
(「Lady Madeなメタルバンド」〜それいけ!スバル代行2013年3月31日の投稿)



先物取引が失敗に終わらず、まずはホッとしています。期待に十分に応え、予想を良い意味で裏切る形で、Cyntiaが一回りも二回りも大きくなって帰ってきました。先月ラジオ番組でも紹介した、アニメ「聖闘士星矢Ω」の主題歌「閃光ストリングス」を含む全11曲の構成。多くの曲でプロデュースに関わった、ANTHEMの清水昭男さんの力も大きいと思われますが、もともとの楽曲の持つ“幅”が驚くほど広がりました。



今私は“幅が広がった”と記しましたが、ヘヴィ・メタルバンドとして音楽性がブレないところがさすがです。今までにはなかった、しっとりとしたバラードがあったり、ラストのタイトル・トラックではプログレ風の大作にまで果敢に挑戦しているのだけど、どこを聴いても「これがCyntia!」といった独自性を、きちんと作り上げてしまいました。




前作まで露骨だった「キャバ嬢」風のルックスから、少し落ち着いたところもありますが、昨年夏にリリースした浜田麻里さんのカバー「Return To Myself」のプロモーション・ビデオでは大胆な水着姿を披露し、また、シングル限定盤特典としてビキニTOPを付けるという“遊び心”も忘れていません。頑固なメタルファンの中にはこうした遊び心に眉をひそめる向きもあったと思うのだけど《でも、そういう反応は私たちがあの企画を提案した時から予想していましたし、ある意味、想定内でした。》(雑誌「BURRN!」3月号のインタビューより)、とケロリとかわす心の余裕すら感じさせます。




それにしても、11曲本当に充実したアルバムを、よくぞ作ってくれました。どの曲もギターリフがシンプルでカッコよく、メロディはどこかで聴いたことがあるような親しみを感じさせ、すぐに口ずさみたくなる。男性のメタルバンドにありがちな「ダサさ」とは無縁で、こんなにも明るく、これほど楽しそうで、しっかりと可愛い。いつも指摘していることですが、ハード・ロックとかヘヴィ・メタルって、基本分かりやすくて、カッコよくて、ちょっとエッチなくらいじゃないとダメなんですね。




その意味で、こんな基本に忠実(?)なバンドが、レコード会社からの正当な支援を受けつつすばらしい作品をこの日本国内で発表してくれたことに、私はいささか大げさかもしれませんがある種の感動すら覚えました。4月には名古屋、大阪と久しぶりに東京以外でもライブを行ってくれるようですし、ぜひともそのパフォーマンスを生(ライブ)で観てみたいものですね。
by ANB27281 | 2014-02-15 20:25 | レビュー

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです