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〜ふかいことをおもしろく〜「日本語教室」へようこそ!








井上ひさしさんのお書きになったものを最初に読んだのは、大学1回生の時に手にした「日本語相談」でした。現在では、新潮文庫から各回答者ごとにまとめられた文庫が出ていますが、もともとは週刊朝日に読者から寄せられた、日本語に対する素朴な疑問や質問に4人の日本語の達人が解答するという、人気連載をまとめたものでした。


私はそれまで、言語としての日本語をさほど意識して暮らしていなかったので、この本をきっかけに回答者の方が書いた本を読んだりして一気に日本語の魅力に惹かれていきました。英米語学科に進んだのを後悔したほどです(笑)。その中でも、井上さんの文章はとても「やさしく」心にしみました。



井上さんと言えば、例えば「私家版・日本語文法」という大変な名作がありますし、日本語について総括的に考えるのなら、あるいはもっと良い本もお書きになっているかもしれません。今日ご紹介する「日本語教室」は、上智大学で2001年から4回に渡って行われた講演会を、1冊にまとめたものです。専門書に比べれば井上さんらしい脱線(?)も多いのだけど、その分読みやすさという点と、それから2000年以降という、比較的最近に井上さんが日本語についてどうお考えになっていたのかが分かるという点とで取り上げます。



私自身は、「言葉は生き物なので時代時代によって変わって当然」という立場に理解を示した上で、しかしそれでも保守的な立場、正当(何をもって正当とするのかは大問題なのですが)に対する最大級の敬意と、意識を持たないといけないと感じています。何でも「みんなが今はそう言っているからそれで良いんじゃない?」では、国語としての日本語はあっという間に体を為さなくなってしまいかねませんし、言葉が崩れるというのは、すなわち一国の国民の思考そのものが“崩れる”という事だからです。



ですから、井上さんが「言葉は常に乱れている」とした上で、《日本の言葉も、小学校で英語を教えようということになったときに、僕は本当に危ないと思いました。すべて、そうやって、言葉は消えていくのです。言葉は、実体がない。人間がそれを話すまでは、ないのと同じです。人間がそれぞれ持っている精神を、言葉というものに託したときに、つまり人間がいてこそ言葉は生きていくわけです》(「日本語教室」P.57)とおっしゃるのが、とても重く感じられましたし、《英語をちゃんと書いたり話したりするためには、英語より大きい母語が必要なのです。だから、外国語が上手になるためには、日本語をしっかりーたくさん言葉を覚えるということではなくて、日本語の構造、大事なところを自然にきちっと身につけていかなければなりません》(同書。P.20)というところも、今一度考え直したいなと感じました。




「言葉・言語」を考えるというのは、思っている以上にややこしい問題を本質のところではらんでいます。1つは、“ここまでいったら「あがり」だよ”というゴールが無いのもあって、私達は大人でもまるで素人の様に言葉に対して不安や自信の無さがあるにも関わらず、もう1つは毎日特に考えなくても意思の疎通ができるといった、外国語を話す時とは比較にならないほどの「プロ意識」みたいなものを、誰しも(一応)持っているからです。



何かとややこしい問題だらけではありますが、しかし言うまでもなく私達はこの日本語を使って、人を説得したり情報を交換したり相手をののしったり大切な異性に愛の言葉をかけたり怒ったり笑ったりしているわけですよね。そういった深い部分を、一級の文芸と話芸をお持ちだった井上さんの言葉でやさしく考える事ができるというのは、私は本を読む最大の愉しみの1つではないかと思います。



10月2日放送のラジオ「その場しのぎの男たち」でも、少し取り上げてみようと思っています。
by ANB27281 | 2012-09-23 17:30 | レビュー

Superflyという名の挑戦

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冒険作!Superflyの最新作「Force」





4枚目(Fourth)のアルバムにして、Superflyというバンドは力(Force)を込めて新しい1歩を残しました。




非常に【ロック】色の濃いアルバムだと言われています。各種レビューでもそうですし、雑誌のインタビューで越智さん自身も【ロック】【ライブ感】というのをキーワードとして用いている。



敢えてむちゃくちゃステレオタイプな評価をお許しいただければ、Superflyには60〜70年代に活躍した、イギリスやアメリカのロックバンドに対する称賛を軸とする音楽性に、越智志帆さんという稀代の女性フロントマンを擁したグループという一面があります。



そうだとしたなら、今作「Force」は、ロックアーティストとして彼らの集大成なのではないか?



結論から言えば、それは違います。ニューアルバムで越智志帆さんと多保孝一さんは、とんでもない挑戦をしています。



1stアルバムから一貫して、Superflyは丁寧な音作りとプロダクションを通じて、ビンテージロックの息吹を継承しつつ、むしろJ-POPと呼ばれる歌謡曲ファンにこそ支持を受けてきたと感じています。前作のツアーも、実はこっそり(笑)大阪で参加していたのですが、たぶんローリング・ストーンズやフリートウッド・マックなど、聴いた事もなければ存在さえ知らないのではというファンで一杯でした。



もちろんね、そんな昔のおっさんの事なんか知らなくて良いのですよ。Superflyの凄いところは、何度でも書きますがそうしたビンテージロックに最大の敬意を払いつつ、自分たちの音楽として完全に消化し、実にPOPな越智志帆という女性のキャラクターの演出に成功している所だからです。


そうした、リッチなプロダクションが今までだとしたら、今回彼らは敢えて荒削りな音楽を出してきたと思います。越智さんは、アルバム作りを通してパートナーの多保さんに、上手に整っている曲じゃなくて、気持ち一発で作っているようなものをとリクエストされたそうですが、ギターのリフ、曲の構成など、なるほどシンプルになったのではないか。彼らの代表曲の1つになるであろう名バラード「輝く月のように」も、よくよく聴くと基本はとてもシンプルな構成なのが分かると思います。


そうした意味で考えると、今までのSuperflyが「ロック」の魅力も感じさせる「ポップス」だったとしたら、上質の「ポップス」に「ロック」の生き様を取り入れた作品なのでは無いか。生き様なんて、何も大げさにと言われるかもしれません。実際大仰だよね。でも、そんな感想を持ちました。


ロックな生き様と言っても、越智さんが急に荒々しくなったとか、そういう意味ではありません。むしろ、魅力一杯のキュートで等身大な歌声に益々磨きがかかっている。

そんな表面的な事ではなくて、例えば今までSuperflyは、作曲家である多保さんとアーティストである越智さんとの分業制による仕事の進め方を常にされていたようですが、今回からコミュニケーションをしっかりと取り、話し合いをしながらアルバムを作るように変更したそうです。また、今までだとわざとビンテージロックのリフを「パクる」ような曲を書いてはオールドファンをニヤリとさせてくれていましたが、「'60〜'70年代の音楽に憧れがあって、そういうリフからスタートする曲を作っていましたけど、私たちはリアルタイムじゃないので、憧れでしかない。だけど、あのときに感動したリフとかを消化したうえでできたと思うんです」(「WHAT's IN?」10月号P.58〜59)と本人も告白されるように、今までのスタイルを意識的に変えて行こうとするムードが、音から小気味良く伝わってくる。そんな小さな積み重ねこそが、本当の意味でのロックっぽさかなと思いました。




「暑苦しいアルバムを作りたかった(笑)」と越智さんはおっしゃっていて、初回限定にはなんとアルバム収録曲である新曲を、順番通りにライブ録音したライブアルバムが「おまけ」として付いているのには仰天しましたね。暑苦しい(笑)。こうした画期的な挑戦ができるのも、今Superflyというアーティストが、良い意味でアグレッシブな旬を迎えているからだと思います。





《本当は泣きたい 泣きたいんだ

 孤独に震えている

 迷い悩んで 後悔して

 それでもここにいたい

 愛したい 愛したいよ

 あなたの全てを

 ぶつかり許して 信じ合える

 強さが欲しい》(Superfly「Nitty Gritty」)





Superflyは、とても良質の成功曲線を描いていると感じてきました。ここで言う成功とは、楽曲が売れて金銭的にとても裕福になったという意味ではありません。もちろん名作の名に値するだけの報酬は得ているに決まっていますが、とても自由に、楽しく自分たちの音楽をできる環境を手にして。そういう真の意味での豊かな成功をしっかりと手にしているなと感じるのです。それでいて、少しもおごる事なく、女性らしい優しさと、それから自分の弱ささえ少しも嫌味なく詩にのせる。そうした、越智さんのシンプルな強さこそが、ロックアーティストとしての彼女の魅力であり、普遍的なメロディが大勢の聴衆の心を掴んで離さない、ポップバンドとしての真骨頂ではないか。



2012年、大手J-POP界で一二を争う力作の誕生です。特に普段女性アーティストを聴かない男性も、ぜひお楽しみください。
by ANB27281 | 2012-09-21 14:20 | レビュー

智香子ありがとう

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お兄ちゃん2人は、2月の雪がしんしんと積もる山陰らしい寒い夜中に産まれたのだけど、お前は気持ちの良い秋の日の昼に元気いっぱいに生まれてくれたのだよ。お父さんとお母さんは、一緒にお弁当を食べながら「まだかなまだかな」と、少し緊張しながらでも楽しみに待っていたのをとてもよく覚えています。


野菜嫌いなところがあるけど、京史朗をみならって何でも食べられる人になりましょう。何でも自分の思い通りになると思ったら間違いだよ。凜太朗みたいに、少し遠慮というのができるようになってみよう。もうおねえちゃんだから。



世の中のお父さんは娘に甘いみたいだけど、智香子にはいつも厳しくしてごめんね。でも、智香子が生まれたその瞬間から、お父さんはお前の事を忘れた事は無いよ。いつも気にかけているし、お父さんが仕事ができる理由の多くは智香子の元気いっぱいな笑顔に力をもらっているから。


今日はほんと智香子が生まれた日とそっくりな良い天気になりました。3歳の誕生日ほんとうにおめでとう。これからも元気に大きくなっていってね。それだけを願っています。
by ANB27281 | 2012-09-20 07:03 | 恐るべき子供たち

夢売るふたり

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2年前から有料のメールマガジンを配信しています。


それまでほぼ毎日ブログを更新していて、多くの読者のみなさんに支えられていましたが、ブログだけでは書けない、もう少しパーソナルな内容や、深く考えたコンテンツを有料で配信したいと思うようになったのがきっかけです。


購読料は毎月1,000円。個人が配信する、純粋な読み物(商材を含まない)としてはかなり高額だと思います。購読いただいた方には、全員にスバル代行の運転代行利用券を1,000円分ご進呈。1人1人に、私の直筆メッセージを添えています。


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2012年9月13日号では、先日Facebookにて投稿した映画「夢売るふたり」を引用しつつ、もう少し踏み込んだ内容を書いてみました。




《冗談はさておき、映画「夢売るふたり」は、1度観ただけではその全貌を掴みきれないと思います。それは、私が男だからなのかもしれませんし、もう少し歳を重ねるとまた違うのかもしれません。

いずれにせよ、「男と女」を考えるうえで、悲しいほど多くの示唆を含んだ映画であり、私達の世界というのは、とどのつまり「男と女」が、ああだこうだとやり合っている場だとしたら、避けては通れない作品では無いかと感じました。メルマガ読者のみなさんはお分かりだと思いますが、最近私は「人を愛するという事の本質」に、非常な関心を持っています。ここで「愛する」というのは、慈しみ、色欲、love、友愛、セックスなどが、時に明確に乖離し、時に渾然一体となった感情です。》
(有料メールマガジン「月刊スバル代行」2012年9月13日号より)




みなさんからの感想をお待ちしています。




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by ANB27281 | 2012-09-13 18:37 | 有料メルマガ

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もっと毎日の食卓にスパイスを!「S&B社員のとっておき赤缶カレー粉レシピ」はこちらから。





ここ最近、食品メーカーや飲料関係の会社からユニークなレシピ本が出版されるようになりました。きっかけはベストセラーになった「体脂肪計タニタの社員食堂」あたりだと思いますが、従来の料理人やタレントといった個人では無く、それまで裏方だった「会社」や「商品」にスポットをあてるという手法はおもしろいですよね。カゴメ株式会社が出した「カゴメトマトジュースレシピ」とか、カルピス株式会社が出版した「カルピス社員のとっておきレシピ」とか。料理にカルピス?・・・おいしいです!



1950年に国内初のカレー粉として発売されて以来、プロの調理人から家庭まで愛されているS&B赤缶カレー粉。私も、家でカレーを作る際ベースのカレー粉として重宝しているだけでなく、魚や鶏肉をソテーなどする際、アクセントをつけるスパイスとして楽しく使っています。




カレー粉は、カレールウを作るためだけのスパイスではありません。胡椒などがそうであるように、和食から洋食まで幅広く使うべきです。




定番とでも言うべき、バターチキンカレーや牛すね肉赤ワイン煮込みカレーといった「カレー」レシピから、経験者の方ならご存知の「和食にカレー粉を使う」レシピなど、本格からB級まで簡単でおいしいレシピが目白押し。ところどころ挿入されるコラムも、読み応え十分な内容です。




家庭料理だと、「カレーは市販のルウを買ってきて作る」という方がまだ多いと思います。各メーカーからおいしく個性的な「ルウ」がたくさん市販されているのはみなさんご存知の通りです。それはそれとして便利に食べつつ、カレー粉を使ったカレー料理の世界に挑戦してみませんか。「香り」「辛味」「色づけ」の要素が、驚きの配合で入った「魔法の粉」で、毎日の食卓がグッと豊かになるのは、間違いありません。
by ANB27281 | 2012-09-12 15:30 | レビュー

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《結論から申し上げると、こうしたジムに通ってエクササイズをしながら痩せようというのは、経験者の立場からお勧めしません。





確かに、長い目で見ると良質の食品を摂りつつ、正しいエクササイズを行うのは、美しい身体をキープする上で重要なのかもしれませんが、今すぐダイエットで結果を残したい方は止めておいた方がよろしい。効果の割に、無駄が多すぎるからです。



例えば、私もやっていたので分かるのだけど、フィットネスクラブで30分走ったとします。消費カロリーが計算されて表示されますよね。大体260〜280キロカロリーくらい消費されるのかな。


ですが、その程度のカロリーは、先述した「ラーメン&半チャーハン」の、半チャーハンを止めたらカットできるものです。30分のランと言っても、前後にストレッチをして、終わった後シャワーも浴びないといけませんし、時間にしたら小1時間くらいかかるでしょう?運動で熱量を消費しようとするのは、ある意味金持ちの道楽みたいな部分がある。




もちろん身体を動かす事が大切なのは言うまでもありません。ただ、高いお金を払ってジムに通って、辛いトレーニングに萎えてしまうより、いつもの生活でもっと身体を動かしましょう。例えば、歩いて行ける場所に惰性で車で行っているかもしれません。時間に追われていなければ、極力歩きます。また、階段や床、風呂などをエクササイズ代わりに掃除をしてみましょう。結構汗がでるだけでなく、家族にも喜ばれます。言うまでもありませんが、こうした活動には「会費」も発生しません。》
(有料メールマガジン「月刊スバル代行」2012年9月6日号より)








Facebookではすでに紹介した本かもしれませんが、今回のメールマガジン参考物件も記しておきます。





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50歳を超えても30代に見える生き方




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運動しないでカンタンに痩せる 白澤式「ケトン体」アンチエイジング


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43才でもなぜ武田久美子でいられるのか











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by ANB27281 | 2012-09-06 21:49 | 有料メルマガ

ライフログの技術

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洋泉社MOOK 「ライフログの技術」








「ライフログ」という言葉が、ここにきて俄然光を浴びています。NHKが春ごろテレビで大きく取り上げたのも、その理由の1つだと思われます。



よく知られているように、ログ=logとは「航海日誌」といった英語圏の言葉で、日本では日記と訳されることもあります。現在では、もっと広く「記録」といったイメージでとらえておけば良いかもしれません。さすがに今ではもう説明もいらないであろう、【ブログ】という言葉も、web logの略語であり、インターネットユーザーを中心に今で言うブロガーが出現しはじめたころは、「ネットに自分の“日記”などを書いて何がおもしろいのだ?」という意見が多数ありました。今となっては懐かしい話です。



聞き慣れないという方に、簡単で少し強引な解説をするなら、「ライフログ」とは個人の生活全般=lifeを丁寧に記録することで、新しい価値を創造していく試みです。読んだ本やその日食べた食事などをブログやSNSサイトに投稿している方がたくさんいるでしょう?最近では、1日お金をいくら使ったかといった家計簿みたいな使い方や、ダイエットの状況をつぶさに投稿している人もいます。こういったもの全般を、ライフログと言います。多分。



本書は、その大部分をPART 1「ライフログの達人たちの使い方に学ぶ」というコーナーに費やしています。ネットのプロが、どのようにライフログを形成しているのか、とても興味深く読みました。勝間和代さんや、超人気ブロガーのちきりんさん、会社社長の古川健介さんなど、なるほど達人はこういう努力をやっているのかと素直に感心しましたし、私自身ブログこそ最近はあまり書いていませんでしたが、Facebookを使って毎日投稿を続けていて、もっとポジティブで有益な使い方は無いだろうかと思っていただけに、さっそく取り入れようとみようという言葉がたくさんあります。とりわけ



《また、日々のことを書くのは“思考の整理”をするうえで非常に有効です。(中略)人の話を聞いてわかるというのと、聞いたことをまた違う人に伝えられるようになるのとではまるで違います。》



という、フリージャーナリストの漆原次郎さんの言葉は個人的にとても深く感じました。例えば、私は今こうして自分が読んだ本についてブログに記事を書いているわけですが、読んだものをアウトプットしようとするとき、思った以上に読後感がモヤモヤしていたりするのに気がつくことが多い。そこを整理してウェブ上のログ=ブログに残しておき、さらに時間がたった後で読み直してみるのも、意味があることだと感じます。



ただし、mixiでもTwitterでもFacebookでも、それから「ノマド」などのIT流行語でもいいと思うのだけど、こうした新しいメディアや価値観が出てくると、実際の価値より過剰なまでに大きく評価されるものだ、ということも肝に銘じておきたい。これはあくまで個人的な価値観かもしれませんが、私は以前ブログを毎日更新していて、また現在だとFacebookでかなり頻繁に「今日食べたもの」を投稿しますが、可能な限り「今日のランチはカルボナーラ☆おいしい〜」みたいな記事にしないように努めています。もっと具体的に記せば、

1.よほどその店を推薦したい場合

2.店もいいが、いっしょにタグ付けなどした友人との様子を共有したい

に気をつけています。さらにいえば


3.そのお店へのチェックインや料理の写真を足がかりに、お店そのものとは本来関係が薄い内容の記事を書きたい場合


というのもある。美味しいお蕎麦屋さんの蕎麦を紹介しつつ「夏の蕎麦は犬も食わぬという諺が昔はありましたが、現在は夏でも香り高い蕎麦をさまざまな努力によって品質管理されているお店も多くなりました。ところで・・・・」といった具合です。




「ウェブはバカと暇人のもの」等の著書で一躍人気になった、中川純一郎さんが本書にも寄稿をされていて、他の達人とは1味も2味も違う異彩を放っていますが



《「目立ちたい」「儲かりたい」という目的でライフログをつけるのは、ちょっとどうかと思う》

《第一、非公開といってもネットに流すのだから、見てもらいたいという欲求がどこかにあるはず。よく「このブログは備忘録です」という言い方がありますが、本当に備忘録ならオフラインのテキストファイルやワードで残せばいい。》

《承認って普段から実績があれば勝手にされるものだり、自ら「盛る」べきものではない。》



といった強い言葉に、ドキリとさせられます。刺激的なタイトルや発言で、ともすると皮肉屋みたいに言われることもある中川さんですが、私はとても愛にあふれる人だと感じています。




先にも記したとおり、私はこの「ライフログ・ブーム」には懐疑的なところが大きいですし、例えば勝間和代さんが体重をライフログに記録されているのは良いとして(人に見られているというのは、それだけで効果があると思います)、タニタと海外製の体重計を2つ使うとか、iPadを4台、レッツノートを4台使うと便利ですとか言われても、「はぁ?」と思っちゃったりもします(笑)。



いずれにせよ、好むと好まざるとに関わらずスマートフォンの普及や、ソーシャルメディアサービスの画期的とも言ってよい向上により、巷は「ライフログ」に溢れていますし、おそらくこうした流れは当分終わらないと思います。「自分が食べたものを、ただネットにあげて何がおもしろい?」とおっしゃる方の気持ちも、痛いほど分かりますが、そうしたノイズのような投稿を自ら上げることなく、メディアリテラシーの向上を図ることは、プロだけではなく私たち素人にこそ、今とても大切なスキルなのではないでしょうか。
by ANB27281 | 2012-09-02 16:22 | レビュー

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです