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人生の新しい扉を開く50の提言。ギタリスト布袋寅泰さんの最新エッセーはこちらから。







東京からロンドンへ移住を決め、新しい挑戦を始めたギタリストの布袋寅泰さん。50歳を越え、なお夢に向かって進む布袋さん。そんな彼の家族を大切に思う気持ちや、意気込み。また、今まで味わってきた挫折や後悔などについて偽らざる部分も多く綴ってくださいました。




正直に告白すると、私はあまりこうした「夢の実現のために〜」自分がどうしたとか書かれた本があまり好きではありません。得てしてそれは、自分の苦労話や自慢話に終わったり、とても自分とは生きる世界が異なる次元の話で、現実味が無かったりするからです。




布袋寅泰さんといえば、私たち世代にとってはそれこそカリスマです。バンドBOØWY時代に文字通り日本の頂点に立ち、その後のソロキャリアでの活躍は、今ここで書くまでも無いでしょう。そんな布袋さんが“人生の新しい扉を開く50の提言”などとおっしゃるので、どんな雲の上のような話が出てくるのか、はじめは不安でした。



しかし、そんな不安はまったくの杞憂だったようです。むしろ、多くのものを捨て、ロンドンというフロンティアで新しいキャリアをスタートさせた男性の偽らざる等身大の姿が、世代や性別を超えて多くの共感を私たちに与えてくれます。



まったく売れなかったアマチュア時代から、東京ドームでのコンサートを即日完売させるまで。20代・30代・40代と、自分はどんな事に気をつけて生きてきたのか。後悔している事は何か。人生の指南書という言い方ができる本ですが、しかし、年寄りの説教みたいな気怠さが無いのは、つねにロックミュージシャンとして前線を走り続けている、現役の挑戦者の言葉ならではだと感じました。




お子さんの朝ごはんを毎日作っている(得意料理は納豆チャーハン(!))など、個人的にはイメージと違うエピソードがたくさん掲載されているのも面白かったです。仕事でちょっと疲れ気味の大人に読んでもらいたい本ができあがりました。お勧めします。



by ANB27281 | 2013-04-12 11:35 | レビュー

Lady Madeなメタルバンド

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カワイイ!カッコ良い!上手い!Cyntiaがいよいよメジャー・デビュー!「Lady Made」はこちらから





女性ーいや、この際“女の子”と言っていいと思うのですが、その女の子とロックバンドというと、かつては無理をして女性らしさを隠してワイルドさを演出してみたり、逆に田舎の温泉街から出て、目狐(笑)のような妖艶さを醸し出す人たちが多かった気がします。



時代が時代だったといえばそれまでですが、どこかで「男に負けられない!」といったところがあったと思うのですよね。モロ、ヤンキーみたいな歌詞だったり。



その点、90年代に一世を風靡したPrincess Princessは立派でした。同世代の等身大な女の子の気持ちを、軽快なビートと親しみやすいメロディに乗せ瞬く間に国民的なバンドになったのを、当時青春時代を過ごした方はご存知のはずです。私の記憶がたしかなら、「女性だけのロックバンド」として、彼女たちを越える成功を手にしたグループはいないのではないか。



今日ご紹介するバンドCyntia(シンティア)は、昨年9月にインディーズよりアルバム「Endless World」でデビュー。シングル「Run To The Future」がオリコンチャート28位を記録するなど、さっそくファンを獲得し、今月いよいよメジャー・デビューとなるアルバム「Lady Made」を発表した、文字通り波に乗っているグループです。



何より面白いのは、彼女たちがいわゆる「ヘヴィメタル」と呼ばれる音楽形態を選んでいるところ。ご覧ください、このギャル風のファッションを(笑)。てっきり冗談みたいな子たちだと思っていたら(ごめーん)、これがまた演奏が上手い!それでいて、かつての女性ハードロックバンドにありがちだった、妙にギラギラしたケバさがありません。




普通に可愛いのに、めちゃくちゃメタル。



エレキギターの教則ビデオ講師も務める、ギタリストのYUIさんをはじめ、心地よく安定した演奏力を見せるメンバーと、元アイドルからオーディションでフロントの地位を掴んだ、異色の経歴を持つSAKIさんの、確信犯的な売り出しも嫌味というより、見てみて清々しいものがある。プロモーションビデオでこれ見よがしに強調される胸の谷間(♡)も、かつての目狐(しつこい)とは一線を画する健全なエロさで、いかにも現代的だと感じます。



今までありそうでなかった、また、女の子が努力と実力を気負い無しで表現できる、来るべき時代に出てきたともいえるロックバンドの登場です。80年代の伝統的なハード・ロック、ヘヴィ・メタルへの敬意を隠さず、様式美としてのギターとキーボードに、ポップでキャッチーなボーカルがメロディを乗せる。一歩間違えば“色物”と烙印を押される危険もあるでしょうし、実際キャバ嬢風のルックスが気に入らない人もいるかもしれませんが、嫌味の無い演奏力と楽曲に裏打ちされたバンドは、それ以上の人気をメタルファン、いや、ジャンルを超えた人たちから獲ることに成功するでしょう。「辛口」として名高い、ヘヴィ・メタル専門誌「Burrn!」において、その年デビューの新人アーティスト中、今後最も活躍が期待される「Brightest Hope」部門に、海外も含めた男性アーティストを差し置き、栄えあるチャンピオンの座を勝ち得た実績は、その象徴だと言って良いと思います。





無粋を承知で敢えて記せば、他にもっと上手なバンドはいっぱいいます。技巧派と記しましたが、もっとテクニカルなギタリストを擁するメタルバンドははいて捨てるほどいるのですよ。しかし、バンドはあくまで全体から出るオーラが大事。これだけ楽しそうで、こんなにもメロディアスで。ハードでちょっとだけエッチなメタルバンドの出現は、いささか先物買いだと言われても、私は買います。








by ANB27281 | 2013-03-31 11:38 | レビュー

「仕事」に使える数学

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「数学の完璧さ」をビジネスではこう使え!「仕事」に使える数学はこちらから



「学校で勉強する数学なんて、社会人になったら役に立たないよ」という人がいます。いや、私自身そう思っています。




実際、よほど特殊な仕事に従事でもしていないと、高校以上で習う数学など正直活用どころか関わることさえ無いかもしれません。




しかし、だからといって数学そのものが社会生活に役立たないわけではありません。いや、むしろ少し考えれば分かることですが、私たちの仕事や生活は、「数学」で溢れている。飲み会の割り勘や携帯の料金プランから、一生涯にかかわる生命保険の契約や会社経営に至るまで、数学無しには本質は語れません。





学校の数学かどうかはさておき、数学そのものは実社会で役に立つのです。




日本で2人しかいない、ビジネス数学検定1級の実績を持つ、深沢真太郎さんが、理論的でやさしいまなざしで、私たち普通のビジネスパーソンに数学の重要性を本にまとめてくださいました。華々しい実績を持つ深沢さんは、しかし本書で《ビジネスパーソンに難しい数学なんていらない!》と断言されています。




読んでて気がラクになった(苦笑)。




・見える化できるようになる

・迷わなくなる

・損をしなくなる

・説得できるようになる

・仕事が速くなる





数学がもつ、シンプルで美しい「完璧さ」を普段の仕事や生活に、無理なく活用できるスキルが面白く書かれていて、あっという間に読んでしまいました。人気ブログを書籍化したもので、全国の大学や教育機関、企業の研修など依頼がたくさんあるそうですが、そこにも理論的な思考を上手にやさしく伝える著者の実力が大きく貢献していると感じます。





《私は大学院を修了後、数学の指導者になりました。その動機は、「数学が得意だったから」「教えることが好きだったから」。つまり、「for me」です。

しかし、別の業界で10年余りビジネスの経験を経て、いま改めて数学の指導者になりました。その理由は、「何かに貢献したい」「自分の専門性で誰かをハッピーにしたい」。つまり、「for you」です。

その変化はなぜ起こったのか。

数学で使う理論や感覚が、実際のビジネスの現場ではほとんど使われていない。「デキるビジネスパーソンは数学に強い」なんていう言葉だけが宙に浮き、日々忙殺されるビジネスパーソンに対する具体的なソリューションがない。

「何か、できるはずだ」そう思いました。

改めて自分の周囲を眺めてみました。
日本企業が苦戦を強いられ、日本人の数字リテラシーが下がっている現状の中で、一部の数学ファンだけが数学を学び続け、いったん離れた人は永遠にサヨナラ。そんなことは絶対にあってはなりません》
(『「仕事」に使える数学』深沢真太郎著 ダイヤモンド社 P.183〜184)





中学生レベルの、ごくごく普通の数学技術を使って、仕事で“悩んで”いた時間の無駄を“選択”する時間へシフト。根拠のない“決断”をせず、数字に裏打ちされた考えを用いたいものです。もっと無機質で寒い世界かと思っていましたが、人間味ある温かさと、シンプルさが身につきますよ!お勧めします。
by ANB27281 | 2013-02-18 17:49 | レビュー

献立れんしゅう帖

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“一汁三菜”からはじめる献立づくり。「献立れんしゅう帖」はこちらから。






例えば料理教室でもテレビの料理番組でも良いのですが、「おかずをつくる」という事を考えようとすると、人はどうしてもメインについてだけ考える傾向にあります。サーモンのソテーならサーモンのソテー、鶏の唐揚げなら鶏の唐揚げ・・・ま、そりゃそうだわな。




ですが、よほどおかしな食生活をしている方以外なら、鶏の唐揚げだけ食べておなかいっぱいにするのもしんどいですし、食卓にご飯とサーモンだけというわけにはいかないでしょう。そう、普通は、味噌汁や副菜類が1つとか2つあって、はじめて豊かな食卓となるわけです。




《かつての日本の晩ごはんでは、ご飯におつゆ、魚か肉のおかずがひとつ。そして、野菜や豆腐などの小鉢が2品と汁ものがついた「一汁三菜」という食事が、ごく一般的なものでした。

一汁三菜は、いろいろなものが少しずつ食べられます。この形にそって食事を用意していれば、自然に栄養のバランスが整います。3つのおかずが食卓に並ぶと彩りもよくなり、食欲がわいてきます。そして、食感や味に変化がつくので、食べ飽きることがなく、最後までおいしく食べられます。》
(「献立れんしゅう帖」 村田裕子著 池田書店P.4)




1つのおかずを作るのでも大変なのに、3つも作るなんて無理!という声が、私の料理教室に通う、料理の超苦手な女性から聞こえてきそうですが(笑)、主菜となるおかずと違って、副菜類の多くはいわゆる“常備菜”。多めに作っておいて、その都度食卓に出すものでしょう。料理上手のお母さんとかは、みなさん調理が美味いのはもちろんですが、むしろ段取り力とでもいうような時間配分を上手につかって、食卓に彩りを、家族に笑顔を運んできました。




料理研究家の第一人者とも言うべき村田さんの最新刊は、カロリー計算や野菜の理想的な摂取量など、個人的にはいささか“詰めすぎ”な感もありますが、考えようによってはこれ1冊でいろいろ勉強になると思います。《一汁三菜を作る時間がないときは、「一汁二菜」でもいいんです。無理せず、自分のペース》と言われると気が楽になる?



育ち盛りの子供とちがって、おじさんはこうした「副菜」に弱い気がします。酒のつまみに軽く小鉢があると嬉しいよね?家族構成や嗜好によっていろんな切り口ができる本だと思いました。
by ANB27281 | 2013-02-04 18:42 | レビュー

デフレ化するセックス

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彼女たちがカラダを売る仕事を選んだ理由(わけ)は?「デフレ化するセックス」はこちらから。









若い女性を中心に、性に対する意識が低下していると言われています。








・・・そうなのでしょうか?




いわゆる良識派と呼ばれる人が、例えば新聞の投稿欄などで「最近の若い女性は・・・」「昔はやまとなでしこという言葉があって・・・」などと発言するのを目にする度に、言いようのない違和感を私は抱いています。




“最近”とはいつなのか?若輩者の私の拙い経験でなんですが、女子高生のいわゆる「援助交際」問題や、ルーズソックスや自ら履いていた下着が高額で取引されているという事実がマスコミで報じられるようになったのは90年代です。あれから20年以上がすぎた現代の女学生たちは、もっと性に対するモラルが低下していると断言していいのか。



また、“昔”というのはどの程度“昔”なのか。やまとなでしこの定義とは?明治から大戦に負ける昭和の中ごろまで、確かに結婚するまで女は処女を守るべしという考えが強かったわけですが、しかし売春は合法な娯楽の1つであり、それは男尊女卑だからという一面があったとはいえ、しかし母親たちは年頃になった可愛い息子を、“筆おろし”の儀式を果たすためにお金を持たせることもあったわけです。さらにいえば、平安から江戸の太平まで、好きあった者同士ならいっしょに寝て何が悪いという考えが一般的だったのはみなさんご存知でしょう。そのような“昔”は、今より性に対する意識が低かったのか否か。





フリーライターの中村淳彦さんの前作「職業としてのAV女優」を山陰経済新聞の書評欄で紹介した際、私は「この本は、アダルトビデオ産業を切り口にした、ある種の文明批判だ」と書きました。アダルトビデオ産業は、今や若い女性にとって暗く特別な世界ではなく、明るく人気の職種になったと言われます。その分競争率も激しく「脱げば誰でもなれる」仕事でもなくなった。一流女優と呼ばれるようになろうと思えば、壮絶な努力と才能が必要な世界です。そうだとしたら、アダルトビデオに限らず、メジャーな性風俗産業の多くを取り上げた本作は、当然文明批判としてよりリアルな、好むと好まざるとに関わらず身近な問題として、私たちにある種の厳しい現実を投げかけてきます。





《現在、AVや風俗、個人売春の市場から見えてくるのは、女性たちを襲っている決定的な貧しさである。今まで平和と言われていた日本で「売春する女性の貧しさ」という言葉からイメージするのは、物欲主義や金本意主義からくる“心の貧しさ”であり、またシングルマザーや多重債務者など、決定的な原因のある金銭的な貧しさだった。

だが現在、カラダを売る女性たちは、学校を卒業して普通に毎日働き、また心が貧しいわけでなく、普通の生活を送ってきた女性たちが溢れている。かつてのようなネガティブな理由はなにもない。普通に生きているはずなのになぜかつまずき、「最後の手段」であるカラダを売って、明日を迎えることを考えている。

例えば「地方から上京して一人暮らししながら、私立大学に通っているから」「やりたいことを見つけて転職したが、試用期間中で給料が少ないから」など、過去では考えられなかった理由で女性たちはカラダを売っている。東京の大学に通うことも、賃金の低い職業を選んで就職することも自己責任の範疇ではあるが、大きな違和感を覚える》
(中村淳彦著「デフレ化するセックス」 宝島社新書P.4〜5)




著者は、そうした違和感に分かりやすい回答だとか結論を示しているわけではありません。ライターとして、ただただ淡々とデータをひろい、現場を取材して、1冊の本に仕上げてくださいました。




簡単に結論が出せる問題でもありませんし、私たちが住む現代日本というのは、明確な答えを見つけられないところにまで来てしまったのかもしれません。いずれにせよ、現代の性風俗・性サービス産業、性に対する意識に「けしからん」とか「子供には見せられない」といった、思考停止のままで良いわけが無いのは確かでしょう。現代の性風俗産業を知る一級の入門書から、カラダを売る女性(とそれを買う男性)を、社会問題として考えてみたいと思っています。
by ANB27281 | 2013-01-26 10:30 | レビュー

柚子屋旅館

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先日の京都旅行。一泊目の宿は「松本さんが好きなところを選んでください。ちょっと良いところがいいな」と言ってもらえたのもあり、以前から一度泊まってみたいと思っていた「柚子屋旅館」を選択しました。祇園の八坂神社の前にあるとても小さな旅館ですが、2005年のリニューアルオープン以来、評判の宿だからです。




旅館の名前にもあるとおり、ここのコンセプトはずばり「柚子(ゆず)」。八坂神社前の「え?こんなところに旅館が?」という入り口から階段を登ると、玄関にさわかな香りの柚子が高く積み上げられた状態で迎えてくれます。




もちろんそれだけではなく、例えばお風呂にもゴロゴロと柚子が浮かんでいたり、夜の会席料理にもアクセントとして柚子が再三登場。柑橘の香りばかりで正直後半飽きるかも?と思っていましたが、食材と不思議なマッチングがあって、その都度柚子が持つ違う一面を見せていただいた、そんな新鮮な気分でした。





“名物料理”としてグルメにも知られる〆の柚子雑炊(土鍋の中に切込が入れられた柚子が丸ごと1コ入っている)や柚子の果汁を使った日本酒ベースのお酒など、非日常の空間が楽しめるのは旅館の醍醐味だと思いました。ラジオでも笑い話としておしゃべりしましたが、大切な異性とこっそり訪れたい旅館です(残念ながら私は違いました(>_<))。











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飲食も旅館もメーカーも自治体も、男と女もいまこそ「再生する底力」を!






ところで、この名物旅館を手がけたのが、数々の飲食店経営でヒットを飛ばして知られる、際コーポレーションの中島武さんです。数年前に、とあるセミナーの課題図書として本書が選ばれ、初めて読んだ私はいろんな意味で感銘を受けました。







《でも、大繁盛店だった店も、繁盛しなかった店も、「猛烈に行列のできる店」ほどではなくても、「いい店」として地道に繁盛し続けていくはできるのです。そのためには、何が必要か。

その店を再生しつづけることです。

お客さまに「また来たい」と思ってもらえるように、いつでも新鮮な感動や、清潔で居心地のいい環境、安定したおいしさを提供できるようにすること。そして、ちょっとしたことなのですが、時代の流れをよく読み、必要な時にいつでも再生に取り組むこと。

再生の努力をしないで放っておくと、すぐに店はだめになってしまうのです。》
(「そのお店、いまなら再生できます」P.11)



昨年末、ブログだったかFacebookだったかメルマガだったかラジオだったか忘れましたが(苦笑)、何かを止めずに続けようとしたとき、「継続」の実態はじつは「やり直し続ける」ことだという、先輩から聞いて感銘を受けた言葉を紹介しました。やり直しとは、言うまでも無く再生の事ですよね。




あらためて本書を読みましたが(もちろん柚子屋旅館再生の物語にも触れられています)、何も経済とか経営に関わらず、生活のそこかしこの局面で取り入れるべき面があるなと私は感じるのですよ。





たとえば、引用部分の「お店」を、「結婚生活」と置き換えてみてください。





ほら、ある人にとってはグッと考えさせられる親身な話になるかもしれません。仕事でも男と女の関係でも、「再生」というは非常に身近で本質に迫るイシューです。



この本を課題図書として読む事ができたセミナーのタイトルは「持続可能性としての恋愛論」、というものでした。
by ANB27281 | 2013-01-17 18:09 | レビュー

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腹(ウエスト)がみるみる細く!オリンピックアスリートのコーチが教える技術はこちらから。






正月から、餅の食い過ぎで腹が8センチ増えてしまいました。







ウソです。いくらなんでも元日からそんなに太れません。





冗談はさておき、今年もあまたの老若男女がダイエットに苦しみ、痩身に励む事でしょう。ダイエット関係の著書もたくさん出版されると思われます。




そうしたたくさんある「ダイエット本」の中にあって、本書は非常に地味な本です。



著者の金塚陽一さんは、体育教師を経てアメリカにコーチ留学。帰国後は、日本オリンピック委員会選手強化委員に就任し、我が国のトップアスリートのトレーニング指導に携わってこられました。




その金塚さんが、言うなれば満を持して一般の我々に、理論と科学に基づいたダイエット法を開示してくださったわけです。これを買わずに何を買えというのでしょうか?(おおげさ)





いきなりこんな事を書くのも何ですが、本書のサブタイトルにある《アスリートの「秘密のダイエット」を初めて明かす!》というのは、いささか誇張があります。




というのも、ここに書かれているダイエットメソッドの多くは、奇をてらったような秘技や秘密があるわけではないからです。言われてみると、なるほどそうすれば-否、痩せるというのを理論的に考えたら確かにそうだわなあという事ばかりが書かれています。



《世の中にはダイエットに関する本が溢れています。食事制限をしたり、エクササイズをしたり、流行のメソッドが毎年出てきて話題になっています。しかし、これだけダイエット本が売れるということは、裏を返せば“ダイエットに挑戦しても成功していない”人が多いということなんです。多くの人がダイエットに成功していれば、ダイエット本は必要なくなるはずですよね》
(『「腹」を8センチ減らす技術』金塚陽一著 普遊舎新書P.13)





地味な本だと書きましたし、秘技や秘密といった驚きの方法が書かれているわけではありませんが、しかし読んでいてイチイチ腑に落ちる、刺激的な本です。本書を読んで、1つ1つさほど辛いとか難しい事ではない実践を始めれば、8センチと言わなくても確実に痩せることができるでしょう。





《常識》
1.寝ていない人は痩せない
2.湯船に浸からない人は痩せない
3.腸が汚れている人は痩せない
4.水をあまり飲まない人は痩せない
5.1日3回食べない人は痩せない
6.半年に1度正しい絶食をする




《掟》
1.朝、体重が1キロ前後減っているのが正しい身体
2.入浴と食事が良質な睡眠を左右する
3.寝る前には必ずコップ1杯の水を
4.眠る1時間前からパソコンやテレビはNG
5.痩せる寝室は“真っ暗”がお約束
6.早起きの人のほうが痩せられる
7.痩せたければ、意地でも6〜7時間睡眠は眠る
8.睡眠不足の人はランチ後に15分の仮眠を
9.寝具を吟味して、痩せ体質を作る




《一般の人のダイエットにはトレーニングやエクササイズは一切必要ない》という言葉も、オリンピックアスリートのトレーニングやエクササイズを最前線で教育している金塚さんが言うと重さがまるで違いますね。




もう、「根性論」でダイエットを語る時代は2012年でおしまいです。デブで悩むすべてのみなさんへ。元日から妙なブログになってしまいました(笑)。
by ANB27281 | 2013-01-01 10:08 | レビュー

ごっちゃんです!

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全14部屋!秘伝のちゃんこがご家庭で楽しめます。「秘伝!相撲部屋ちゃんこレシピ」








よく知られているように、相撲部屋で作られる「ちゃんこ」というのは、厳密には“鍋料理”に限りません。稽古のあとにみんなで食べる“まかない料理”と訳したほうが本意なのではないか。




しかしながら、実態としてあれだけの巨漢の男たちが大人数で食べるとなるとどうしても鍋で出される事になるのでしょう。



シンプルかつ豪快に。野菜も肉も火を入れることでたっぷりと食べる事ができるちゃんこ鍋料理は、ある意味「完全食」なのかもしれません。





《まるまるとした力士の姿を思い浮かべると、「ちゃんこ鍋って太りそう」と思われるかも。それは大きな誤解です。力士たちの食事は1日2食。空腹のまま稽古をし、その後はちゃんこ鍋をスープ代わりに、白米やおもちをたらふく食べて、即昼寝。あえて「太るための生活」を送っているからなのです。

ちゃんこ鍋は、肉、魚、きのこ類、豆腐や野菜などの具材をバランスよく使い、煮込むことで消化吸収もよいものだそう。体の内側から、ほかほかと温まり、とてもヘルシーな料理です。子どもからお年寄りまでみんなのカラダにやさしく、かつ美味しい。栄養学的にも太鼓判を捺されている、ありがた〜いメニューなのです。》
(「秘伝!相撲部屋ちゃんこレシピ」P.5)






秘伝などというと、どれほどのヒミツが書かれているのかと思うかもしれませんが、むしろ、稽古の合間に手軽で簡単、そして美味しく食べる「コツ」のようなものが満載です。むしろ、家庭料理として積極的に取り入れたい。




騙されたと思って、今夜はちゃんこ鍋。きっと、みんなが笑顔になると思います。
by ANB27281 | 2012-12-22 07:48 | レビュー

渾身





先日、映画「渾身」の試写会へ行ってきました。




「白い船」(02)、「うん、何?」(08)、「RAILWAYS〜49歳で電車の運転士になった男の物語〜」(10)と、長年にわたって島根県を撮り続けてきた錦織良成監督の最新作は、美しい自然と碧い海が広がる隠岐諸島に伝わる【隠岐古典相撲】でした。当然、山陰に暮らす私たちにとってはいろいろな思いがあると思います。隠岐の雄大でたおやかな自然界を丁寧なカメラワークで撮影された映像に息を呑む人もいることでしょう。島民のすばらしい協力のもと、20年に1度の遷宮相撲を再現したと言われるラスト大取の一番は圧巻でした。鍛え上げられた役者同士の自然な肉体美は、“作られた”映像やスペクタクルに慣れた私たちに爽やかな興奮を運んでくれたと思います。





個人的には、錦織監督と、それから「渾身」という作品の魅力に共感して集まった、主演はもちろん脇を固める俳優・女優陣の充実ぶりがすばらしかったと感じました。今作で本格映画デビューを飾った、劇団EXILEの青柳翔さんも良かったが、同じく主演を務めた伊藤歩さんの存在感が強烈にアピールしてきます。どうかすると、彼女がほとんど1人で“もっていく”のでは無いかと思うところに、錦織作品ではおなじみの甲本雅裕、長谷川初範、宮崎美子さんといった味のある実力派や、財前直見、笹野高史さんら演技派が織りなす人間模様は、性別や年代を問わず私たちの心に感動を運んでくれるはずです。






「まさか、相撲で泣くなんて。」





本作品のコマーシャルに使われているコピーです。各地で先行された試写会をご覧になった方のブログなどでも「泣けた」「涙がとまらない」という形容をたくさん目にします。






一口に「泣く」と言ってもいろいろありますよね。あまりネタバレな投稿はできませんが、この作品の大きなテーマの1つは「再生」です。家族・地域・男と女・親と子・・・さまざまな立場で、ちょっとボタンを掛け違えてしまったり繋がりを続けるのが苦手な人たちが、隠岐という舞台を通じて渾身の想いで再生していこうという強い意志が、一本すーっと通っている。




人は、どんな過ちを犯したとしても、愛する家族と地域と真摯に向き合い、渾身で生きていけば再生できる。ともすると根性論的な暑苦しい話を、一級のストーリーと映像でかろやかな映画作品に仕上げられました。







山陰地方では1月5日から先行ロードショー、全国公開は1月12日からです。夫婦で、恋人で、親子で。ぜひ、お楽しみください。
by ANB27281 | 2012-12-19 16:48 | レビュー

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間違いだらけの農業業界!農業は儲かる!「儲かる農業」はこちら






なんだか、読んでいてイチイチ気持ちが晴れてくる本です。





「農業は儲からない。農業人口の減少を見れば明らかでしょう?補助金をもらってやっと成り立つのだよ」とあちこちで聞きますし、実際私もそう思っていないわけでもありませんでした。食料自給率の低下など、これからの日本を考える際何かと暗くなる資料をたくさん目にしつつ、では具体的にどうしたらいいのか、1人の社会人として別段意見を持っていたわけではありません。




ところが、著者の嶋崎さんはハッキリとこう仰います。




《たしかに、トップリバーを2000年に設立したときの売り上げは3700万円だったが、2008年には10億9000万円を計上するほど成長を遂げた。この間、単年赤字は初年度のたった一度だけである。

このように述べると、私たちがとてつもないビジネスを展開しているように聞こえるかもしれないが、私たちは今まで誰も思いつかなかったような画期的なビジネスモデルを展開しているわけではない。しごく真っ当で常識的なビジネスを農業という分野で行っているだけである。

それは裏を返せば、他の産業で当たり前のように行われていることが、農業の世界では行われていないことを意味している。一般のビジネスにとっては常識であるはずのことが、農業では常識ではないのだ。トップリバーが快進撃を続けてこられた理由はそこにある。

儲かるヒミツなどどこにもない。いや、秘訣はあるが、誰も知らない特別な方法論などないと言ったほうが正確だろうか。》
(「儲かる農業」 嶋崎秀樹著 竹書房新書P.13)





ごく一部の方だと思うのですが、地元で農業や自然に関するお仕事に携わっている方のブログや発信で「農業は儲けを考えてはいけない」だとか「金じゃないんだよ」とおっしゃる方がいます。一言でいうと「金儲けは悪いことだ」という、漠然とした拒否反応を起こしているようにしか見えない人たちです。




たしかに、“金の亡者”(笑)みたいになるのもどうかと思いますし、儲かれば何をやっても良いというわけにはいかないでしょう。ですが、人の営みが博い意味で世の中のモノやココロを豊かにする事と定義したとき、すべからく「利益」(黒字)の事を考えるべきですし、そこを避けて通ることなどできません。嶋崎さんは

《利益をあげるのは自分たちが私腹を肥やすためではなく、自分と自分の周りの人々を幸せにするために他ならない。》(同書 P.21)


とピシャリと指摘してくださいました。





まー、それにしてもガッツリ儲ける事例がおもしろいほど紹介されています。今まで“儲からない”と思われていた刷り込みのような概念は何だったのでしょうか。しかも、引用したようにそのどれもが、核心的なアイディアやモデルではなく、他の業界では当たり前ーたとえば、生産部門だけではなく営業にも力をぬかないとかーのことばかりなのです。




これからの日本の農業はどうあるべきかという、一見難解なテーマを実に分かりやすく腑に落ちる文章で紹介してくださいました。農業について書かれた本ではありますが、結果として人が人らしく仕合わせになるために、「仕事」と「お金」をどう考えたら良いのかというヒントに溢れているという意味で、ビジネスやマネーリテラシーに興味がある人にもぜひ読んでもらいたいと思います。


情熱と理論が綺麗に一致した、すばらしい本です。
by ANB27281 | 2012-12-11 06:52 | レビュー

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです