みりん

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和食を代表す調味料といえば、通常「醤油」が思い浮かびますよね。しかし、醤油はお隣の中国や朝鮮をはじめ、アジア全域に似たような(もちろん国ごとにかなり違います)なものがあるという意味で、私は日本を代表する調味料は、実は「味醂」だと長い間考えてきました。






家庭料理を、短期間でもっとも効率的においしくしようと思えば、お使いのみりんを考え直すのが一番間違いのない近道かもしれません。それだけ、多くのご家庭でこの日本を代表する調味料の重要性が、長い間にわたって軽んじられてきました。




みりんは、本来焼酎に「もち米」と米麹だけを原料として、長い期間伝統的な製法をもちいて醸されるお酒です。もち米が、米麹の力でゆっくりと溶けて生じる、天然の「甘さ」を凝縮するのが特徴。





ちまたでは「みりん風調味料」という、安価な商品が出回っています。私は男性によくありがちな「なるべく高価な食材や調味料」のコレクターや伝道師ではありませんし、特に家庭料理ではあまりこだわったことを言うこともないと考えていますが、ことくだんの「みりん風調味料」というのだけはいただけません。あれは、本当のみりん(?)が酒類に分類されるために酒屋さん以外の小売店で扱えないというところに注目し、アルコール濃度を低くして、砂糖を大量に使い、塩や人工の旨み成分を添加して作った「発酵調味料」です。




繰り返し記しますが、私は人工的な食べ物をいっさい否定する者ではありませんし、その逆に手作りや自然のものをすべてありがたがる立場にはいません。しかし、砂糖や人工の旨み成分を放り込んでカッコだけ整えたものと、長い月日をかけてもち米からゆっくりと甘さを引き出しながら醸した、天然のアミノ酸を豊富に含んだ「本みりん」とを、同列に語るわけにはいきません。




何より、調理に使うと味の深さがまるで違うのです。





最近の常備菜ブログをご覧になった方で、ひょっとしたらお気づきになった人もいらっしゃるかもしれませんが、私は和食を作る際、ふだん「砂糖」を使いません。西洋料理が、バターやクリーム、オイルなどの油脂類を使って味の「幅」を広げるのに比べて、みりんや砂糖を醤油といっしょに使うことで味の「幅」を広げるのが、和食のユニークな点です。いわゆる“甘辛い”味というのは白いご飯に本当に合うのですね。なので、砂糖を効果的に使うのはまったく悪いことではありません。




悪いことではありませんが、本当のみりんを使い、醤油や酒との割合を間違えなければ、基本的に味はピタリと決まるというのを、伝えたいと狙ってやってきました。自然界の旨み成分が、甘さといっしょに液体となって凝縮したようなものが、みりんです。これを醤油といっしょに素材に含ませてやれば、砂糖を使わずとも和食らしい「甘さ」が料理に乗ります。深い旨さの中にも「スッキリした、くどくない甘さ」を感じていただければ、子供はもちろん大人も飽きること無く食べ続けることができるでしょう。




よく知られているように、みりんの糖質は素材の水分をしっかりと捉える働きがあり、野菜のいわゆる「煮崩れ」を防ぐ働きがあるいっぽう、タンパク質を固める働きもあるので、肉料理に長時間使うと素材の柔らかさが失われます(なので例えばすき焼きなどにはやっぱり砂糖を使ったほうが美味い)。調理に応じて、みりんを入れるタイミングを考えたほうがいいかもしれません。








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みりんはあくまで「お酒」ですから、飲んでもおいしいのですよ。これも「みりん風調味料」では逆立ちしてもできない楽しみ方です。砂糖や人工の旨み成分、塩なんかも入ってますからね。甘くてまずくてそのままでは飲めたものではない。「みりん風調味料」が悪い意味で一般的になってしまったのか、最近あまり見ることがなくなりましたが、「本みりん」をオンザロックで飲むというのは、かつてはアルコールに弱い女性の間で、食後酒として一般的でした。デザート酒として秀逸。妙に高いサプリメントにお金を出すことなく、自然界のアミノ酸を身体に取り入れ、なおかつリラックス効果もあるなんて、美容に関心がある方はぜひお試しください。







私の料理教室に参加したことがある方はご存知だと思いますが、私は静岡の杉井酒造さんが造った「飛鳥山」という本みりんを使っています。全国的に有名なところだと「三河みりん」などを愛用(愛飲)されている方もいらっしゃいますよね。正直今まであまり気に掛けてこなかった方は、この機会に試してみてください。どれだけ「高級」なみりんに変えたといっても、一升瓶が1万円もするようなものはなく、あくまで2,000円ちょっと。にもかかわらず、今までの家の和食は何だったのだろう?と思うほど、味は劇的に変わるはずです。約束します。
by ANB27281 | 2013-11-03 14:57 | 料理教室

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです