快楽上等!

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「面倒くさい」「飽きた」を封印せよ!ポジティブな女と、それから男にも読んでもらいたい「快楽上等!」はこちらから。









フェミニスト・女性学者の上野千鶴子さんと「女ひとり寿司」をはじめユニークな視点とキャラクターが人気の著述家湯山玲子さんの対談集。30代後半という世代(若造)と、男性だからなのか、途中少ししんどい部分もあったけれど、おおむね楽しく読むことができました。









今、熟年世代の女がガンガン「快楽」の世界に進んできています。婦人公論の別冊という形でスタートした「快楽白書(けらくはくしょ)」も、はじめは雑誌「an・an」のセックス特集のお年寄り版(失礼!)かなくらいに思っていましたが、毎年深い内容とリサーチに基づく紙面作りを、最近私はただの好色を通り越して非常な注目をもって読んでいます。他の媒体やネットでも、ここ最近「熟年層の性」というのが本当にクローズアップされてきました。




言うまでも無く、こうした諸問題は何かとナイーブなところを多分に含んでいますので、“赤裸々”に有名人だとか影響力のある方が「ぶっちゃけ話」をするか、データを恣意的にとりあげて小難しい話をするか、それか、「無かったこと」にするのが今までだったと言っていい。






「女」という性に対して、その評価はさておき(私はフェミニズムについても学生運動についてもあまりに知識がありません)、これまでずっと深く、また良い意味で“かたよった”考えを発信しつづけてきた、上野千鶴子さんと、それから湯山玲子さんの対談は、予想を裏切らないほどの鋭さと赤裸々さをもって、高齢の方でなくても多くの女性に問題提起を投げかけてくれたと思います。





多くの男たちは、まだこの問題の根の深さとリアルさに、あるいは気づいていないのかもしれません。






結婚・出産・恋愛・セックス、そして子育て・・・女性の人生にとって避けては通れない諸問題に、簡単な「解答」などあるはずもありません。また、心休まる糸口がこの本に書かれているのかといえば、それも違うのかもしれない。ただ、あまり巷ではみかけないけれど、とても大切なことが、あちこちに「ボソッと」語れていて、いくつか強烈に共感してしまいました。



《湯山 少子化が言われ出して以降の世の中の言説で、私がすごくイヤなのが、「子どものために」であったり「子どもの将来のために」ということが、あまりにも強調されていることなんです。大人であるあなたの幸せは、まずどうなんだと。日本では、大人が自分のために、トクな選択をすることが、憚れるのか。そうまで、イイコでいたいのか、というね。自分の生き方を自分で決められなかったり、自分の欲望をきちっと見つめないでいたり、現状をうやむやにしていることの責任転嫁に、「こどものために」を使ってる狡さを感じるんですよ。》
(「快楽上等!3.11以降を生きる」P.88)



《湯山 しかし、「挿入が絶対だ」と、男以上に女も思い込んでいる。
(中略)
上野 ムラムラだって経験と学習。なのに契約を結んで、「私以外にムラムラするな、ムラムラしてもガマンせよ」というルールを作る。その必要はないと思うけど。
湯山 そういえば、ムラムラの方向が、日本はものすごく狭いですよね。若い妊娠可能な女のみ。最近は、だいぶそうでもなくなっているけれど。
(中略)
上野 日本でも今、風俗は熟女と人妻が熱いという話よ(笑)。》
(同書 P.184)



《湯山 ノーマルな男女関係だって、奉仕のし合いじゃないですかね。
上野 セックスが「気持ちよくない」という子たちのことが、気になるわけよ。
湯山 それは若いからですよ。
上野 学習が足りんってこと?そう来たか、おネエさん。今の反応は予測誤差でした(笑)。
湯山 もっと言うとですね。フェラでオエッとなって気持ち悪いというのは、男性のクンニも同様。しかし、その気持ち悪さを越える喜びは、もう快楽にあえぐ相手の表情っていうやつです。もはやそれは風俗系の奉仕ではないでしょう。やってあげて気持ちいい、やられて気持ちいい、このイーブンさが一番いいんですよ、セックスは。
上野 もちろんそうよ。そうなっていないから、「やらせてあげる」という言い方が出てくるんでしょう。あなたの周辺の女のサンプルとは違うかもしれないわね。でも、学習が足りないって、どれだけやればいいのよ(笑)。
湯山 そりゃ、人生死ぬまで勉強ってことです。》
(同書 P.196)




《上野 ネットが広がって、言葉の力がもう一度、復権しました。上野ゼミの学生が以前、遠距離恋愛を卒論のテーマにしたことがある。アメリカ留学中に、太平洋を越えた恋をした男が、二股をかけた。顔が良くて性格のいい大人しい子と、顔はあまりキレイじゃないけど溌剌とした子と。チャットをしたら、大人しい子とは話が続かなかったんだって。
湯山 なるほど。
上野 溌剌とした子のほうは、言葉遊びもやるし、打てば響くっていうので、結局、その子と恋愛が続いちゃった。対面関係が最高だと言うけど、次元を落としたネットの世界では、言葉がものを言うんだね。
湯山 言葉って上手、ヘタも含めて、人物そのものですからね。また中でも、短い言葉が力を持つ。》
(同書 P.288)




繰り返しになりますが、私は本書に書かれていることにすべて共感しているわけではありません。それは、私が(著者に対して)若いからなのか、それとも男性だからなのか、正直わからない所もある。ですが、ちょうど今年に入ってからスタートさせた恋愛ブログ「恋は手打ちうどん」で、力を入れて主張している、一夫一婦制度への疑問だとか、既婚後の恋愛感情といったイシューについて、強烈にひっかかる部分が少なくなかったという感想もあります。それがたまたまなのか、それとも私と似た意見を発信する人がこれから出てくるということなのか、自分の問題として考えていこうと思いました。



明日のラジオ「その場しのぎの男たち」のコーナー「つながる読書」でも紹介します。
by ANB27281 | 2013-05-06 16:18 | レビュー

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです