純米酒Book

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《今は誰も信じてくれませんが、20代まではお酒がほとんど飲めませんでした。それがあるとき、神亀酒造の活性にごり酒を飲んで世界が一転!こんな日本酒があったのかとビックリ。今まで日本酒で感じていた苦手な要素が皆無。かれこれ20年前の出来事です。

日本酒がダメだと思っていたのは、たんに自分がいいものを知らなかっただけという浅はかな誤解に反省。同じようにお酒に偏見を持つ人たちに「おいしい日本酒はおいしい!」ことを伝えたく、さまざまな日本酒イベントのお手伝いをしてきました。しかしながら、おいしい酒とそうでない酒の品質差には深くて暗〜い溝が。いくら「日本酒で乾杯!」と叫んでも、よっしゃと飲んだその人がそのへんの酒を選べば「やっぱりまずい」で元の木阿弥。おいしいお酒は、ふらっと入った酒販店でなかなか売っていません。じゃあ、おいしい酒は足りないのかというと、あるところにはたんまり埋もれているのが現実です。》(「純米酒Book」P.182)





ふと気がつけばもうさほど若くも無くなってきましたが、20代のころからずっと、日本酒のほんとうのおいしさを少しでも多くの方と楽しみたいと思い、ブログなどで発信してきました。「純米酒を極める」という、おそらく日本酒の入門書としてはこれ以上無いと思われる本を課題図書として、読書会を主催したこともあります。




「日本酒はベタベタしてイヤ」「次の日残るでしょう?」「ワインの方が個性も味わいも豊か」etc...こうした、お酒は好きなのに日本酒は敬遠したい、また、敬遠とまではいかなくても、日本酒を飲もうと思うといくつか「覚悟」をしないと飲めないという人に、私は今でも日本酒の爽やかで深く、懐かしくて新鮮な味わいを知って欲しいと心から思っています。上に記したような典型的な“誤解”は、すべてあなたの知らない、しかし実はほんの身近にある「ちゃんと造った純米酒」を飲めばなくなると確信しています。




日本酒のおいしさを本当の意味で伝えるのは、やさしい事ではありません。それは、日本酒がやさしくないからではありません。日本酒をとりまく歴史と関係者すべてが、不幸と間違いの歴史の中で事をすっかりむずかしくしてしまったからです。




この事を語るのはそれこそ大変(しかし重要)な問題なのですが、私は今、むしろ楽しくおもしろく日本酒を飲んでもらうにはどうしたら良いだろう、といった事を考えています。



著者の山本洋子さんは私の地元鳥取県境港出身。本書は、日本酒の中でもとくに「純米酒」というカテゴリーに注目して、美味しい日本酒の紹介はもとより、その文化や問題点をやさしく解説。日本酒に合う簡単なおつまみのレシピが写真付きで載っていると思いきや、女性必読(?)の「きれいになる飲み方」指南まで、幅広くフォローしてくださりました。むちゃくちゃてんこ盛り(笑)。女性雑誌編集者としての、十分なキャリアとセンスがきらりと光っています。




日本酒を語る切り口は無数にあります。そりゃそうだわな。だって、酒はその国の食文化を語る上での歴史的精神的拠り所だもの。そんな無数な切り口のうち、今もっとも足りないものは、女性的な視点で、本当の日本酒のおいしさを、軽やかな語りで「やさしくたのしく」伝える技術かもしれません。



男はすぐ熱くなっていかん。一言でいうと「ダサい」(笑)。



もちろん、カッコつけただけのうわべっつらな知識や議論はいけませんが、それでも敢えてポップで親しみが湧いてくるような文章を通じて、日本酒のおいしさを多くの人に伝える重要性を指摘したいと思います。誤解を恐れずに記せば、文化や芸術といったものは、男性(的な心根の持ち主)が生み、女性(的な心根の持ち主)が育てるものだからです。



発売当時、倉吉の山枡酒店さんのブログで知り読んだ本です。明日のラジオでも紹介しますが、残念ながら現在品切れ中との事。グラフ社におかれましては、ぜひともまた刷りはじめてもらいたいですね。山本さんはとてもキュートな美人ですが、酒の飲みっぷりは男性的な心根と、それから肝臓の持ち主です(笑)。最後に話が逸れました。
by ANB27281 | 2012-11-19 09:52 | レビュー

鳥取県米子市で営業する、スバル代行社長の個人的なブログです